タイトル:ないものねだりよりも、あるもの磨き。
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- はじまりのもり
やわらかな朝の光が、森をそっと照らします。葉っぱのすき間からこぼれる光に、小さなカメのコロが目を
さまします。
「今日も、みんなに会いに行こう」
コロはのんびり、でもうれしそうに歩きはじめました。 - うらやましいな
森にはたくさんの仲間がいます。リスのリリは、木のてっぺんまであっという間。ウサギのピョンは、ぴょ
んぴょん速く走れます。
「いいなあ、ぼくもあんなふうにできたらなぁ…」
コロはうつむいて、自分の足を見ました。「ぼくには、すごいところなんて、あるのかな?」 - ひかる小石
森の奥で、コロは小さな光を見つけました。葉っぱの下に、ひとつのきれいな石が光っています。
「こんにちは、カメくん」
ふしぎなことに、石が話しかけてきました。
「君には、君にしかない力があるよ」
コロはびっくり。「ほんとうに?ぼくには何があるの?」 - あるものさがし
その日から、コロは“じぶんのあるもの”をさがしはじめました。
おもたいけれど、つよいこうら。しずかに話をきける、やさしい心。
そして、どんなにゆっくりでも、ぜったいにあきらめない足どり。
コロは少しずつ、自分のことを好きになっていきました。
1 - たいへんな日
ある日、大雨が森にふりました。川の水があふれて、道がぬかるみになってしまいました。
仲間たちはあわてて逃げたけれど、大切なものを森に置いてきてしまいました。
「どうしよう……だれも、もどれないよ」 - コロのちから
そのとき、コロが一歩前に出ました。
「ぼくにまかせて」
コロはこうらに荷物をのせて、ゆっくり、でもしっかりと歩きました。雨でぬかるんだ道も、こわくなかっ
たのです。 - ありがとう、コロ
「コロがいてくれてよかった」
「やっぱり、コロにはコロのすごさがあるんだね」
みんながにっこり笑います。
コロはちょっと照れくさそうに笑って言いました。
「ぼく、もう“ないもの”ばかり見てないよ。あるものを、大切にしていくんだ」 - おわりのもり
夕やけが森を金色に染めます。コロは今日も、のんびりと、でも自信に満ちた足どりで歩いていきます。
ないものねだりよりも、あるもの磨き。
コロの歩く道に、小さな光がきらきらとつづいていました。
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